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家具の選び方、置き方

過去とのつながり

 『カッシーナ』や『イームズ』に代表される高級ブランド家具が人気を集めています。「リフォームを機に私も買っちゃおうかしら」という人もいるでしょう。でも、ちょっと待って!家具の選び方、置き方にもセオリーというものがあるのです。
 ポイントは(1)動線(2)サイズ(3)スタイルの3つ。動線とは、人が移動するときの軌跡のこと。直線で結べばわずかな距離でも、家具と家具の間を縫うように迂回すると、あちこちにぶつかったり、余計な時間がかかって、住みにくい部屋になってしまいます。家具のサイズは、部屋の平面図に配置すれば適当かどうかがわかりますが、高さによって見た目の印象が変わってくるので要注意です。
 一番重要なのはスタイル。インテリアの調和を図るには「どんなイメージにしたいのか」という基準が必要となります。決まっていない人は、インテリア雑誌を参考にして、モダン、プロバンズ、エレガントなど自分が気に入ったスタイルを見つけてみましょう。
 個室がいっぱいあるなら話は別ですが、空間が限られたマンションの場合、玄関、廊下、LDと空間が連続しているので、ひとつのスタイルで統一するのがベスト。でもそこにアクセントとして違ったスタイルの家具を取り入れるのは問題なし。むしろ素敵だと思います。
 実際、私も似たようなことをしたことがあります。それは、おばあちゃまの嫁入り道具、桐のたんす。すっごく素敵で、捨ててしまっては、あまりにもったいない。そこでいったんリフォームを施し、ゲストの方の目にも触れられるよう、メモリアルとして装飾に使用しました。
 長年使用した家具にはひときわ愛着を感じるものです。生まれ育った家の記憶を、新しい住まいに取り込むのもリフォームの役目なのです。私はこうした過去とのつながりを大切にしています。

ホームシアターで家族団らん

 家具を配置する際は"視線の抜け"にも配慮します。目の前に障害物があれば、そこで視線が途切れてしまいます。部屋に入った時、目線よりも高い家具が鎮座していれば圧迫感があるので、視線がなるべく遠くまで届くように配置します。さらにソファは、できるだけ座っている人の顔が見えるように配置。こうすることで、部屋がずいぶん明るい雰囲気になるんです。
 最近は大画面の薄型テレビが手ごろな値段になったことで、ホームシアターの要望が増えています。薄型テレビを壁に掛ける場合、壁の補強が必要。配線工事も含めて5万円ぐらいの工賃がかかってしまうので、結局はリビングボードに置くのが多数派です。リビングボートはもちろんインテリアのスタイルに合ったものを。照明は雰囲気を出すためにも、やわらかい白熱灯がお勧めです。そのほか、テレビ画面に照明が移り込まないよう微妙にレイアウトを変えたり、5.1chサラウンドシステムは配線がわずらわしいのでワイヤレスにしたり、細かい気配りが必要となります。なお、プロジェクターの場合は、わざわざスクリーンを用意しなくても白い壁で代用できます。
 ホームシアターっていうと完全個室でモノモノしくなりがちですが、壁を取り払って広くなったリビングにこそマッチすると思います。大画面テレビの前に家族のだんらんがよみがえること請け合いですよ。

イマドキの内装材事情

大きめのサンプルで確認

 床材にはフローリング、カーペット、畳、コルク、タイルなど様々な種類があり、材質や構造によってイメージだけでなく感触や機能性も変わってきます。
 一般住宅で最も普及しているのは、複合フローリングというもの。一枚板でできているのではなく、合板の上に化粧用の薄い天然木が張ってあります。材料費は1㎡当たり5000円前後~。工賃も含めて6畳床をフローリングにするとおよそ12万円~。手入れがラクで、温度変化によるゆがみがほとんどなく、施工も簡単です。それ対して単層フローリングは、無垢の板一枚。やや高価(1㎡当たり9000円前後~)ですが、その分、耐久性があり、年月が経つうちに風合いが増し、キズさえ味わいになっていきます。最近の自然素材志向の高まりで、無垢の単層フローリングに関心を寄せる人が増えてます。
 大理石、タイル、テラコッタも人気が高まっています。大理石は高級感や重厚感に加え、夏はひんやり、冬は暖房によって温まりやすい性質があるのでリビングの床に使われることもしばしば。光沢のある白っぽい色なら、光の反射率によって、空間を広く見せる効果があります。お手入れは水拭きだけ。もちろん高価ですが、無垢のフローリング材と変わらない価格のものもあるので、玄関などで一度検討してみるといいでしょう。
 コルクは、弾力性と断熱性があり、重ね張りすれば防音効果が得られます。耐久性こそ低いものの、価格はリーズナブルで、子供部屋にぴったりの床材といえます。水分がしみ込みにくいので、水回りの床にも使えます。
 テラコッタは、釉(うわぐすり)を使わず土のみで焼かれた、スペイン伝統の素焼きの総称です。ガーデニングやイタリア料理店では、すっかり定着。しみ込んだ水分によって割れやすいのが難点ですが、実は湿気や雨量が多い日本で使われているものの大半は「テラコッタ調」。つまりテラコッタを模した通常のタイルなのです。このテラコッタタイルは釉を使っているだけあって丈夫で、キッチンに明るい雰囲気を出したいときに最適です。
 予算に余裕があればリビングに床暖房を考えてみてはいかがでしょうか。ざっと40万~60万円ほど。頭寒足熱で人の身体に最も理想的な暖房法であり、ホコリがたちにくく、喘息やアレルギー体質の方にとっては優しい空間となります。

エコ商品が続々登場

 壁材は大きく分けるとクロス(壁紙)、塗り壁、木、タイル、石など。最もポピュラーなクロスには、汚れやカビ、ニオイを防いだりと、機能を持たせたものが続々登場、特に環境や健康に配慮した商品が目立っています。ご存知の方もいると思いますが、平成15年にシックハウス対策のための規制が導入されました。主な内容としては健材に対するホルムアルデヒドの使用規制、クロルピリホスの使用禁止、そして換気設備の設置。この法律は新築はもちろん、リフォームでも適用されます。ただ、確認申請が必要のないリフォームでは、公的なチェック機関がありません。そのためにも信頼できる専門家を選ぶことが重要となります。
 内装材は数え切れないほど種類があるだけに、セレクトに迷ってしまうのも無理はありません。そんな場合は、おおよそのイメージや要望を私たちインテリアコーディネーターに伝えて、お勧めのものをいくつか提案してもらい、その中から選ぶようにするといいでしょう。

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